青・黄・赤の縦三色。ルーマニアの国旗は、紋章も文字もない、すっきりとしたデザインです。
しかし1989年まで、この旗の中央には別のものが描かれていました。そしてその年の冬、人々はそれをハサミで切り抜き、真ん中に丸い穴のあいた旗を掲げて街に出たのです。
ルーマニアってどんな国?国旗の基本データ
| 正式名称 | ルーマニア |
| 人口 | 約1,900万人 |
| 首都 | ブカレスト |
| 現行デザイン | 1989年 |
| 縦横比 | 2:3 |
| 配色 | 青・黄・赤 |
3色は、14世紀から使われてきた
青・黄・赤の3色は、現在のルーマニアにあたる地域で、14世紀ごろから旗や紋章に使われてきました。この土地にはかつてワラキア、モルダヴィア、トランシルヴァニアという3つの地域があり、それぞれの紋章にこれらの色が見られます。
3色がそろって「自分たちの色」として掲げられるようになったのは、19世紀のことです。1821年の蜂起では、青は自由、黄は正義、赤は友愛を表す色として使われました。
1848年の革命で、三色旗が生まれた
ヨーロッパ各地で革命が起きた1848年、ルーマニアでも人々が立ち上がります。このとき、青・黄・赤の三色旗が国の旗として定められました。
最初は横縞でしたが、まもなく縦縞に改められます。「旗竿の近くから青、黄、そして赤がはためく」と、順番もこのときに決められました。フランスの三色旗の影響があったともいわれています。
革命が鎮圧されると、三色旗を掲げた人々は罰せられました。それでもこの3色は、国をひとつにする色として受け継がれていきます。
社会主義の時代、中央には紋章があった
第二次世界大戦のあと、ルーマニアは社会主義の国になります。国旗の3色はそのままでしたが、黄色い帯の中央に、社会主義国家を表す紋章が加えられました。
1989年、人々は紋章を切り抜いた
1989年12月、長く続いた独裁政権に対して人々が立ち上がります。このとき街にあふれたのが、中央の紋章を切り抜いた国旗でした。
紋章は社会主義体制の象徴です。それを取り除くことは、「国は大切だが、この体制はいらない」という意思表示でした。真ん中にぽっかり穴のあいた旗は、ルーマニア革命のシンボルとして今も語り継がれています。
革命のあと、国旗は紋章のない三色旗に戻されました。穴のあいた部分を、何も描かれていない黄色が埋めた形です。
チャドの国旗と、ほとんど見分けがつかない
ルーマニアの国旗には、そっくりさんがいます。アフリカのチャドの国旗です。どちらも青・黄・赤の縦三色で、違いは青の濃さくらい。チャドのほうが少し暗い青を使っています。
並べて見比べないとわからないほどの差なので、クイズではかなりの難問です。隣国モルドバの国旗も同じ3色ですが、こちらは中央に紋章があるので見分けられます。
まとめ
ルーマニアの国旗は、古くからこの土地で使われてきた3色を、1848年の革命でひとつの旗にまとめたものでした。
社会主義時代に加えられた紋章は、1989年の革命で人々の手によって切り抜かれます。何も描かれていない今のシンプルな旗は、その穴がふさがれた姿でもあるんですね。
国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。