白・緑・赤の横三色。ブルガリアの国旗は、紋章も模様もない、すっきりとした三色旗です。
けれども1990年まで、この旗の左上にはライオンと赤い星を描いた紋章がありました。その紋章には、ある「日付」まで書き込まれていたのです。
ブルガリアってどんな国?国旗の基本データ
| 正式名称 | ブルガリア共和国 |
| 人口 | 約640万人 |
| 首都 | ソフィア |
| 最初の制定 | 1879年 |
| 現行の憲法での規定 | 1991年 |
| 配色 | 白・緑・赤 |
500年の支配が終わり、三色旗が生まれた
ブルガリアは14世紀の終わりから約500年ものあいだ、オスマン帝国の支配を受けていました。その支配が終わるきっかけとなったのが、1877年から1878年にかけてのロシアとオスマン帝国の戦争です。
この戦争のあと、ブルガリアは事実上の独立を果たします。そして1879年に作られた最初の憲法に、国旗のことが書き込まれました。「ブルガリアの人々の旗は三色で、白・緑・赤を横に並べたものである」。
白・緑・赤が表すもの
3色の意味は、一般にこう説明されます。白は平和と自由、緑は森や畑など豊かな大地、赤は国のために闘った人々の勇気と血。
ブルガリアはヨーグルトで知られていますが、バラの産地としても有名で、国土には緑豊かな山や谷が広がっています。まん中の緑は、まさにこの国の風景の色です。
ロシアの旗の「青」を「緑」に変えた?
ブルガリアの国旗は、ロシアの国旗(白・青・赤)によく似ています。違うのは、まん中の色だけです。
独立を助けたロシアの旗をもとに、青を緑に変えて作られたという見方があります。スラヴ系の国々に多い白・青・赤の組み合わせから、あえて一色だけ変えた形です。
社会主義の時代、左上に紋章が加えられた
第二次世界大戦のあと、ブルガリアは社会主義の国になります。1947年の新しい憲法で、国旗の白い帯の左側に、国の紋章が加えられました。
紋章は、麦の穂に囲まれたライオンの上に赤い星を置いたもの。下のリボンには「1944年9月9日」という日付が書かれていました。王政を終わらせた政変の日です。
1971年には、リボンの日付が「681」と「1944」という2つの年に改められます。681年は、最初のブルガリア国家が生まれた年。古い歴史と新しい体制を、ひとつの紋章に並べたわけです。
1990年、紋章のない旗に戻った
1990年、社会主義の体制が終わると、憲法が改められ、国旗は紋章のない三色旗に戻されました。1991年の新しい憲法にも、「白・緑・赤を上から横に並べた三色旗」とだけ書かれています。
1879年の最初の憲法とほとんど同じ文言。110年あまりをかけて、もとの姿に戻ったことになります。
ハンガリー、イタリアとの見分け方
白・緑・赤の3色を使う国旗は、ほかにもあります。ハンガリーは上から赤・白・緑の横縞。イタリアは左から緑・白・赤の縦縞です。
横縞で、いちばん上が白、まん中が緑。これがブルガリアです。「白いヨーグルトがいちばん上」と覚えるのも、ひとつの手ですね。
まとめ
ブルガリアの国旗は、独立とともに生まれた三色旗です。社会主義の時代には紋章が加えられましたが、体制が変わると、最初のシンプルな姿に戻りました。
紋章のあった左上の部分は、今はただの白。何もないその場所に、国の歩んだ歴史が隠れています。
国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。