イタリアの国旗:緑色の由来に隠された諸説と、紋章が外された「王政の終わり」

Flag_of_Italy

緑・白・赤の三色で知られるイタリアの国旗「イル・トリコローレ」。実はこの緑色、なぜ選ばれたのか今も定説がないといいます。

さらにこの旗、かつてはおよそ100年近くにわたって、中央に王家の紋章が描かれていた時代もありました。今回はイタリア国旗にまつわる誕生秘話と、その後の変遷を掘り下げていきます。

イタリアってどんな国?国旗の基本データ

正式名称イタリア共和国
人口約5,900万人
首都ローマ
国旗として初採用1797年1月7日
現行デザイン確定1946年6月19日
縦横比2:3
通称「イル・トリコローレ」

1797年1月7日、小さな議会で誕生した三色旗

緑・白・赤の三色旗が公式に初めて採用されたのは1797年1月7日、北イタリアの都市レッジョ・エミリアで開かれたチスパダーナ共和国の議会でのことでした。

ジュゼッペ・コンパニョーニという人物がこの配色を提案し、採択されたと伝えられています。フランス革命の影響を受けた、フランス国旗と同じ三色構成の旗でした。

この日付は現在も「国旗の日(フェスタ・デル・トリコローレ)」として、イタリア国内で記念されています。

なぜ「緑」なのか — 今も決着していない諸説

フランス国旗の青にあたる部分が、なぜイタリアでは緑になったのでしょうか。実はこの点、今もはっきりとした定説がありません。

有力な説のひとつは、赤と白はミラノの紋章の色に由来し、緑は当時の民兵の制服の色に由来するというものです。

その一方で、一般には「国土(平野や丘)の緑」や「自由」を象徴しているとも説明されます。公式に単一の意味が定められているわけではなく、複数の解釈が並び立ったまま現在に至っています。

横縞から縦縞へ — わずか1年で変わったデザイン

誕生したばかりのチスパダーナ共和国の旗は、当初は正方形で、緑・白・赤が横に並んだデザインでした。

ところが翌1798年、チサルピナ共和国が正方形のまま縦三色のデザインを制定します。これ以降、縦配置がイタリアの国旗の標準となりました。

王政の象徴・サヴォイア家の紋章が中央にあった、およそ100年間

1848年、サルデーニャ・ピエモンテ王国の軍が、中央に王家サヴォイア家の紋章を入れた三色旗を採用します。

1861年にイタリア王国が成立すると、この紋章入りの旗がそのまま国旗として引き継がれました。以後、実に約100年近くにわたって、紋章付きの三色旗がイタリアを象徴してきました。

転機となったのは1946年6月の国民投票です。王政が廃止されて共和政に移行し、同年6月19日から紋章のない、現在のシンプルな三色旗が使用されるようになりました。

色の「正式な定義」は、意外と新しい

1797年の誕生から200年以上が経つイタリア国旗ですが、色味が正式に規格化されたのは比較的最近のことです。

2002年から2003年にかけて発布された首相府通達により、緑・白・赤それぞれのパントンナンバーが初めて明文化されました。

その後も2004年、2006年と通達が重ねられ、現在使われている公式の色番号へと改定されています。

まとめ

小さな都市の議会で生まれ、横縞から縦縞へ、紋章ありから紋章なしへと姿を変えてきたイタリアの国旗。

緑色の由来が今も定説を持たないまま愛され続けているというのも、トリコローレらしいエピソードといえるかもしれません。

国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。

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