赤い帯を青と白の細い帯ではさみ、白い円の中に赤い星を置いた北朝鮮の国旗。この旗を誰がデザインしたのかについては、北朝鮮の公式発表と、当時を知るソ連側の証言とで、話がまったく食い違っています。
しかも北朝鮮は、この旗ができるまで、現在の韓国と同じ「太極旗」を使っていました。なぜ新しい旗が必要になり、どのように作られたのかを見ていきましょう。
北朝鮮ってどんな国?国旗の基本データ
| 正式名称 | 朝鮮民主主義人民共和国 |
| 人口 | 約2,600万人 |
| 首都 | 平壌(ピョンヤン) |
| 初掲揚 | 1948年7月10日 |
| 正式採用 | 1948年9月8日 |
| 通称 | 「共和国旗」「紅藍五角星旗」 |
建国前は、韓国と同じ「太極旗」を使っていた
1945年に日本の統治が終わったあと、朝鮮半島では北でも南でも太極旗が掲げられていました。太極旗はもともと、朝鮮王朝の時代から使われてきた旗だからです。
しかし半島の北と南で別々の国づくりが進むと、北側では新しい旗を作る動きが始まります。1948年7月10日に新しい旗を掲げる式典が行われ、同年9月8日、最初の最高人民会議で正式に国旗として採用されました。
デザインしたのは誰か — 食い違う2つの説明
北朝鮮政府は、この国旗をデザインしたのは建国の指導者・金日成だと説明しています。それ以前には、画家の金周経(キム・ジュギョン)の功績とされていた時期もあり、彼は建国30周年にあたる1978年に表彰を受けています。
一方、ソ連側にはまったく別の証言が残っています。こちらの話では、1947年にソ連軍のニコライ・レベジェフ少将が新しい旗のデザインを提案し、ロシア語で書かれた文書を通訳の朴一(パク・イル)が朝鮮語に訳したといいます。
当時の北朝鮮はソ連の強い影響下にありました。赤を基調に星を配したデザインが、ソ連をはじめとする社会主義国の旗とよく似ているのは確かです。
赤・白・青、そして赤い星が表すもの
北朝鮮の公式な説明では、赤は抗日闘争の精神と人々の団結を、白は民族の純粋さを、青は主権と平和を表すとされています。
白い円の中の赤い星は、社会主義の象徴です。太極旗が陰陽という東洋の思想を表していたのに対し、新しい旗は政治的な理念を前面に出したデザインになっています。
韓国では、掲げることが法律で禁じられている
韓国では国家保安法により、北朝鮮の国旗を持ち歩いたり掲げたりすることが違法とされています。例外として認められるのは、映画の撮影やスポーツの国際大会などに限られます。
かつては同じ太極旗を掲げていたのに、今では相手の国旗を掲げることさえ許されない。なんとも皮肉な話です。
まとめ
北朝鮮の国旗は、太極旗に代わる旗として1948年に生まれました。デザインした人物については、金日成とする公式発表と、ソ連の将軍の提案だったとする証言が並び立ったままです。
韓国の太極旗と見比べてみると、半島が2つの国に分かれた歴史が、そのまま旗の違いに表れていることがわかります。
国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。