赤地に黄色い星を描いたベトナムの国旗「金星紅旗」。長年、ある革命家が考案したと伝えられてきたが、2001年、ベトナム政府自身がその裏付けとなる記録がないと発表したという意外な展開があります。
今回はこの国旗が生まれた経緯と、今も解けていない「考案者の謎」を掘り下げていきます。
ベトナムってどんな国?国旗の基本データ
| 正式名称 | ベトナム社会主義共和国 |
| 人口 | 約1億人 |
| 首都 | ハノイ |
| 初使用 | 1940年11月23日 |
| 正式採用 | 1945年9月 |
| 縦横比 | 2:3 |
| 通称 | 「金星紅旗」 |
1940年、武装蜂起の中で初めて掲げられた旗
この旗が最初に掲げられたのは1940年11月23日のこと。フランス植民地支配に対する南部での武装蜂起「南圻蜂起」の際に、赤地に大きな黄色い五角星を描いた旗が使われました。
蜂起自体はまもなく鎮圧されてしまうが、このときの旗は、その後の独立運動の象徴として受け継がれていくことになります。
考案者は本当に実在したのか? — 今も解けない謎
この旗の考案者としては、長らく革命家グエン・フー・ティエンの名が広く伝えられてきました。彼は蜂起が起こる前に逮捕され、1941年8月28日に処刑されたと記録されています。
ところが2001年、ベトナム文化省は、この説を裏付ける公式な記録が見つからないと発表しました。グエン・フー・ティエンが本当にこの旗を考案したのかどうか、実のところはっきりしていないのです。
別の幹部レ・クアン・ソーが考案したという説も唱えられているが、こちらも政府として公式に認められてはいません。国を象徴する旗でありながら、生みの親がいまだ確定していないというのは、なんとも不思議な話です。
独立宣言から5日後に正式採用
1945年9月2日、ハノイのバーディン広場でホー・チ・ミンがベトナム民主共和国の独立を宣言しました。その5日後、この旗は正式な国旗として採用されています。
その後1955年11月30日、星の先端の形がよりまっすぐに整えられ、現在のデザインが完成しました。
星の5つの光が表す「5つの階層」
中央の黄色い星が持つ5つの光の先端は、それぞれベトナム社会を構成する5つの階層を表しているとされます。
具体的には、知識人・農民・労働者・商人・軍人という、国を支える人々を象徴しています。
かつて存在したもう一つの国旗 — 南ベトナムの「三本線」
金星紅旗が北ベトナムの国旗として歩んでいた同じ時期、南ベトナムでは全く異なる国旗が使われていました。
黄色地に赤い3本線を配したこの旗は、1955年から1975年まで、旧ベトナム共和国(南ベトナム)の国旗として掲げられていました。
1976年7月2日、南北ベトナムが統一されてベトナム社会主義共和国が成立すると、北ベトナム時代の金星紅旗がそのまま新しい統一国家の国旗として引き継がれ、現在に至っています。
まとめ
武装蜂起の中で生まれ、独立宣言からわずか5日で国旗の座についた金星紅旗。
考案者をめぐる謎が今も残っているという事実は、長い歴史を持つ国旗ならではのエピソードといえるでしょう。
国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。