スペインの国旗は、赤・黄・赤の横じまに、紋章(もんしょう)をのせたデザインです。
情熱の国らしい、はっきりした色ですよね。でも実はこの2色、「情熱」を表すために選ばれたわけではありません。
選ばれた理由は、海の上で、ほかの国の船と見分けやすいから。もとは、軍艦にかかげるための旗だったのです。
この記事では、スペインの国旗の意味と歴史を、表や年表を使ってやさしく紹介します。
この記事でわかること
- 赤と黄色が選ばれた、意外な理由
- 紋章に描かれている7つのもの
- 一度だけ「紫」が入った時代のこと
- 国旗クイズで迷わない覚え方
スペインの国旗とは?3行でわかるポイント
ひと言でいうと、「海で目立つこと」を最優先に選ばれた旗です。ポイントは、次の3つです。
- 1785年、国王カルロス3世が12の案の中から選んだ
- 真ん中の黄色は、赤の2倍の太さがある
- 紋章には、スペインをつくった昔の王国のしるしが集まっている
基本データ
| 正式名称 | スペイン王国 |
| 国旗の愛称 | ロヒグアルダ(赤と黄色、という意味) |
| 生まれた年 | 1785年(海軍の旗として) |
| 今の紋章になった年 | 1981年 |
| 縦横の比率 | 2:3 |
| しまの太さ | 赤1:黄2:赤1 |
| 首都 | マドリード |
| 人口 | 約4,800万人 |
なぜ赤と黄色?「海で目立つ旗」を選んだ王様
18世紀のヨーロッパでは、スペイン・フランス・イタリアの一部などを、同じブルボン家(ヨーロッパの有名な王家)が治めていました。
そして、どの国の軍艦も、白っぽい地に紋章をつけた、よく似た旗を使っていたのです。
これでは、遠くの海から見たとき、味方か敵かがわかりません。風がない日は旗がたれ下がって、なおさら見分けにくくなります。
そこで国王カルロス3世は、海軍の大臣に「遠くからでもわかる旗」の案をつくらせました。集まった案は12個。その中から王が選んだのが、赤と黄色の旗でした。
ここがトリビア
今のスペイン国旗は、もともと「海軍専用の旗」でした。陸の軍隊も含めた、国全体の旗として使われるようになったのは、それから約60年後の1843年のことです。
赤と黄色に「決まった意味」はない
「赤は情熱、黄色は太陽」と説明されることもありますが、これはあとからつけられたイメージです。国が正式に決めた意味はありません。
ただ、赤と黄色は、スペインのもとになったアラゴン王国やカスティーリャ王国でも使われてきた、なじみのある色でした。
紋章を読み解く:描かれている7つのもの
旗の左よりにある紋章は、細かく見ると、いくつもの絵の集まりです。それぞれが、スペインの歴史を表しています。
| 描かれているもの | 表しているもの |
|---|---|
| お城 | カスティーリャ王国 |
| 王冠をかぶったライオン | レオン王国 |
| 赤と黄色のたてじま | アラゴン王国 |
| 金色のくさり | ナバラ王国 |
| ザクロ(いちばん下) | グラナダ王国 |
| 中央の3つのユリ | ブルボン家(今の王家) |
| 左右の2本の柱 | ヘラクレスの柱(ジブラルタル海峡) |
2本の柱と「PLUS ULTRA」
紋章の両側に立つ2本の柱は、「ヘラクレスの柱」と呼ばれます。地中海の出口、ジブラルタル海峡の両岸にある岬のことです。
昔のヨーロッパでは、ここが「世界の果て」だと考えられていました。
柱に巻かれたリボンには、ラテン語で「PLUS ULTRA(もっと先へ)」と書かれています。世界の果てのその先、つまりアメリカ大陸へ船を進めた、大航海時代のスペインの心意気を表した言葉です。
ここがトリビア
アメリカのドル記号「$」は、この2本の柱にリボンが巻きついた形から生まれた、という説があります。昔、スペインの銀貨が世界中で使われていて、その銀貨にこの柱が刻まれていたからです。
年表で見るスペイン国旗の歴史
赤と黄色の組み合わせは、約240年のあいだ、ほとんど変わっていません。変わってきたのは、主に紋章です。
- 1785年 カルロス3世が、赤と黄色の旗を海軍の旗に決める
- 1843年 陸軍も含めた、すべての軍の旗になる
- 1931年 王様がいなくなり(第二共和政)、旗が赤・黄・紫の3色になる
- 1939年 内戦が終わり、赤と黄色の旗にもどる。紋章には大きなワシが描かれる
- 1981年 ワシがなくなり、今の紋章になる
一度だけ「紫」が入った時代
1931年から1939年までのあいだ、スペインは王様のいない「共和国」でした。このとき、いちばん下の赤が紫に変えられています。
紫は、スペインのもとになった王国のひとつ、カスティーリャを表す色だと考えられていたからです。ただ、この旗が使われたのは、わずか8年ほどでした。
国旗クイズで迷わない!覚え方のコツ
スペインの国旗は、ほかの国と取りちがえにくい旗です。次の2つを覚えておけば、まず迷いません。
| 見るところ | スペインの特徴 |
|---|---|
| しまの太さ | 真ん中の黄色だけが2倍の太さ |
| 紋章の位置 | 真ん中ではなく、少し左より |
なお、紋章がない「赤・黄・赤」だけの旗も、一般の人や船が使ってよいことになっています。紋章がなくても、スペインの旗です。
よくある質問
スペインの国旗の赤と黄色には、どんな意味がありますか?
国が正式に決めた意味はありません。1785年に「海の上で目立つ色」として選ばれたのが始まりです。
スペインの国旗はいつできましたか?
1785年に、国王カルロス3世が海軍の旗として定めました。今の紋章になったのは1981年です。
紋章の「PLUS ULTRA」とはどういう意味ですか?
ラテン語で「もっと先へ」という意味です。大航海時代に、世界の果てとされた海峡の先へ進んだスペインの心意気を表しています。
スペインの国旗は、昔から同じですか?
赤と黄色の組み合わせはほぼ同じですが、1931〜1939年だけは赤・黄・紫の3色でした。紋章は何度も変わっています。
国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。