青地に黄色の十字を描いたスウェーデンの国旗。すっきりとしたこの旗の左上に、かつては赤・白・青・黄がごちゃごちゃと入り混じったマークが付いていた時代があります。
人々はそのマークを、皮肉を込めて「ニシンのサラダ」と呼びました。なぜそんなものが国旗に付けられ、どうやって消えたのでしょうか。青と黄色の由来とあわせて見ていきましょう。
スウェーデンってどんな国?国旗の基本データ
| 正式名称 | スウェーデン王国 |
| 人口 | 約1,050万人 |
| 首都 | ストックホルム |
| 現行デザイン制定 | 1906年6月22日 |
| 縦横比 | 5:8 |
| 国旗の日 | 6月6日 |
空に輝く金色の十字 — 王の伝説
スウェーデンの国旗には、こんな言い伝えがあります。12世紀の王エーリク9世が1157年、フィンランドへ遠征した際に、青い空を背にして金色の十字が輝くのを目にし、それを自らの旗印にしたというものです。
とはいえ、これはあくまで言い伝え。裏づけとなる記録があるわけではありません。
青と黄色は、13世紀の紋章から
実際の由来として有力なのは、王家の紋章です。青と黄色は、1275年のマグヌス3世の紋章ですでに使われていました。青地に3つの金の王冠を描いた「三つの王冠」の紋章も、遅くとも1336年には登場しています。
十字のデザインについては、青地を金の十字で4つに区切った1442年の紋章がもとになったと考えられています。また、13世紀から使われていた隣国デンマークの十字旗の影響も大きかったとみられます。
旗としての最も古い法的な記述は1562年4月19日の王の布告で、そこには「青地に十字の形をした黄色」と書かれています。
「ニシンのサラダ」と呼ばれた連合の印
19世紀、スウェーデンは隣国ノルウェーと同じ王をいただく連合を組んでいました。1844年、両国の国旗の左上には、2つの国旗の色を組み合わせた「連合の印」が加えられます。
ところがこのマーク、評判はさんざんでした。赤・白・青・黄が入り混じった見た目から、人々はこれを「シルサラーテン(ニシンのサラダ)」と呼んで嫌ったといいます。ニシンにビーツやジャガイモなどを混ぜた、色とりどりの北欧料理になぞらえた呼び名です。
1905年にノルウェーとの連合が解消されると、この印は同年11月1日に国旗から外されました。そして翌1906年6月22日の法律で、現在の国旗の姿と、「明るい中間の青」と「金色がかった黄色」という色が定められています。
軍の旗は、先が3つに分かれている
スウェーデンには、国旗の右端が3つの尾に分かれた形の旗もあります。国と海軍が使う旗として1663年11月6日の王の布告で定められたもので、現在も軍の旗として使われています。
まとめ
スウェーデンの国旗の青と黄色は、700年以上前の王家の紋章にさかのぼる色でした。空に金色の十字を見たという伝説も、この配色の美しさをよく伝えています。
一時は「ニシンのサラダ」と呼ばれるマークを背負わされたが、連合の解消とともに取り除かれ、今のすっきりとした姿に戻っています。
国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。