フィンランドの国旗:夏至の夜だけは一晩中掲げられる「青十字旗」の秘密

Flag_of_Finland

白地に青い十字が描かれたフィンランドの国旗。普段は日没とともに降ろされるこの旗が、1年に一度だけ、夜を越えて掲げられ続ける日があります。太陽が沈まない夏至の夜です。

湖と雪の国らしい清らかな配色だが、独立直後のフィンランドが最初に掲げたのは、実はまったく違う「赤い旗」でした。青と白の旗が国旗になるまでの経緯と、今も続く独特の習慣を見ていきましょう。

フィンランドってどんな国?国旗の基本データ

正式名称フィンランド共和国
人口約560万人
首都ヘルシンキ
制定1918年5月
縦横比11:18
通称「シニリスティリップ(青十字旗)」

青は湖と空、白は雪を表す

フィンランドの国旗の配色は、国の風景そのものを写したものだといわれます。青は数千もの湖と空を、白は冬の大地を覆う雪を表しています。

この「青と白」をフィンランドの色とする発想は、19世紀の詩人サカリアス・トペリウスが1860年ごろに提案したのが始まりだと伝えられています。当時のフィンランドはロシア帝国の支配下にあり、独自の国旗を持っていませんでした。

モデルになったのは、ヨットクラブの旗だった

白地に青い十字というデザインそのものは、1861年にヘルシンキで結成されたヨットクラブ「ニーランド・ヨットクラブ」の旗にさかのぼります。当時の旗は左上に地元の紋章を入れたもので、ロシア海軍の旗を参考にしていたとされます。

国を象徴する旗がまだなかった時代、船に掲げられたこのヨットクラブの旗が、のちの国旗の原型になったわけです。

独立直後の国旗は「赤い獅子の旗」だった

1917年12月にロシアから独立したフィンランドが、最初に暫定の国旗として使ったのは、青十字旗ではありませんでした。赤地の中央に、獅子を描いた国章を置いた旗です。

その後、新しい国旗を決めるための議論が行われ、国章に由来する「赤と黄」を推す案と、「青と白」を推す案がぶつかり合いました。斜めの縞模様の案や、画家アクセリ・ガッレン=カッレラによる配色を反転させた十字の案なども出されたが、他国の旗に似ているなどの理由で退けられています。

最終的に選ばれたのが、青と白の北欧十字でした。画家エーロ・スネルマンとブルーノ・トゥーッカネンが細部を仕上げ、1918年5月に正式な国旗となりました。

夏至の夜だけは、一晩中掲げられる

フィンランドでは、国旗は朝8時に掲げ、日没(遅くとも午後9時)には降ろすのが決まりです。ところが夏至祭だけは例外で、前日の午後6時から当日の午後9時まで、夜を通して掲げ続けます。

これは、夏至の夜にはフィンランドのどこにも暗闇が訪れないことを表しているといいます。白夜の国ならではの、なんとも美しい習慣です。

洗ったら室内で干す?細かく決められた取り扱い

フィンランドでは、国旗の扱い方にも細かな作法があります。旗を地面につけてはならず、汚れたまま掲げてもいけません。洗濯した場合は、屋内で乾かすものとされています。

古くなった旗は、燃やすか、国旗とわからなくなるまで細かく切って処分します。国旗を汚したり、敬意を欠く使い方をしたりすると罰金の対象になることもあり、色や比率が正しくない旗を販売することも禁じられています。

まとめ

フィンランドの国旗は、ヨットクラブの旗をルーツに持ち、独立直後の「赤い獅子の旗」との競争を経て選ばれたデザインでした。湖と雪という、国の風景をそのまま色にした旗でもあります。

太陽が沈まない夏至の夜に一晩中はためく青十字旗は、この国の自然と国旗の結びつきをよく表しています。

国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。

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