赤地に、白でふちどられた青い十字。ノルウェーの国旗は1821年に生まれましたが、それから17年ものあいだ、ノルウェーの船はこの旗を南の海で掲げることができませんでした。
理由は、北アフリカの海賊です。せっかくできた国旗が、海賊のせいで使えない。いったいどういうことでしょうか。
ノルウェーってどんな国?国旗の基本データ
| 正式名称 | ノルウェー王国 |
| 人口 | 約550万人 |
| 首都 | オスロ |
| 制定 | 1821年 |
| 縦横比 | 8:11 |
| デザイン | フレドリク・メルツェル |
赤・白・青は「自由の色」として選ばれた
ノルウェーの国旗をデザインしたのは、国会議員のフレドリク・メルツェルです。1821年5月4日に案を提出し、同じ年のうちに議会と国王の承認を得ました。
当時出されていたほかの案は、デンマークの国旗に色が似すぎていると彼は考えました。そこで提案したのが、赤・白・青の3色です。フランスの国旗をはじめ、オランダ、アメリカ、イギリスの旗にも使われているこの3色は、当時「自由を表す色」と受け止められていました。
十字の形は、デンマークやスウェーデンと同じ北欧の伝統にならったもので、キリスト教を表しています。
デンマークから離れ、スウェーデンと組んだ国
この旗が生まれた背景には、ノルウェーの複雑な歴史があります。ノルウェーは長くデンマークとひとつの国を組んでいましたが、1814年にその関係が終わり、今度はスウェーデンと同じ王をいただく連合を組むことになりました。
自分たちの国旗を持つことは、連合の中にあっても独立した国であることを示す、大切な意味を持っていたのです。
海賊のせいで、南の海では使えなかった
ところがこの新しい国旗、思わぬ制約つきでした。1838年まで、ノルウェーの船がこの旗を掲げてよいのは、スペイン北西部のフィニステレ岬より北の海に限られていたのです。
当時の地中海周辺では、北アフリカの海賊が商船を襲っていました。各国は海賊と取り決めを結ぶことで、自国の旗を掲げた船の安全を守っていました。しかし、できたばかりのノルウェーの旗にはその取り決めがありません。そのため南の海では、スウェーデンの旗や連合の旗を掲げなければならなかったのです。
「ニシンのサラダ」と呼ばれた連合の印
1844年、ノルウェーとスウェーデンの国旗の左上には、両国の色を組み合わせた「連合の印」が加えられました。赤・白・青・黄が入り混じったこの印は、見た目のごちゃごちゃした様子から「ニシンのサラダ」と呼ばれています。
ノルウェーでは、この印を外そうという動きが強まっていきます。議会は1898年に印を取り除くことを決め、翌1899年から、印のない「純粋な旗」が使われるようになりました。1905年にはスウェーデンとの連合そのものが解消され、ノルウェーは完全な独立を果たします。
まとめ
ノルウェーの国旗は、北欧の十字の形に「自由の色」を組み合わせて作られた旗でした。海賊のせいで南の海では使えず、連合の印を背負わされた時期もありましたが、そのたびに自分たちの旗を取り戻してきました。
隣のスウェーデンやデンマークの国旗と見比べると、同じ十字でも、色に込めた思いがそれぞれ違うことがわかります。
国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。