真っ赤な地の中央に、緑色の線で描かれた星がひとつ。モロッコの国旗は、とてもシンプルで覚えやすいデザインです。
この旗、もともとは星のない、ただの赤い旗でした。星が描き足されたのは1915年。理由は「ほかの旗と見分けがつかないから」という、とても実用的なものでした。
モロッコってどんな国?国旗の基本データ
| 正式名称 | モロッコ王国 |
| 人口 | 約3,700万人 |
| 首都 | ラバト |
| 制定日 | 1915年11月17日 |
| 縦横比 | 2:3 |
| 配色 | 赤地に緑の星 |
赤は、王家の色
モロッコを17世紀から治めているのが、現在の王家であるアラウィー家です。この王家が掲げていたのが、赤一色の旗でした。
アラウィー家は、イスラム教の預言者ムハンマドの血を引く家柄とされています。赤は、同じく預言者の子孫とされるメッカの名門も用いていた、由緒ある色です。
赤い旗は、ほかにもたくさんあった
ところが、赤一色の旗にはひとつ問題がありました。地中海の南側では、いくつもの国が同じような赤い旗を使っていたのです。とくに海の上では、どの国の船なのかが旗でわからないと困ります。
そこで1915年11月17日、当時の君主ユースフが新しい旗を定めました。そのときの文書には、「私たちの先祖の旗は、ほかの旗、とくに海で使われるものとよく似ている」ため、中央に緑の星を加えて区別する、と記されています。
緑の星が表すもの
中央の星は、5つの角を一筆書きでつないだ形をしています。当時の文書では「ソロモンの印」と呼ばれていました。
現在では、星の5つの角はイスラム教の5つの大切な務めを表すと説明されています。信仰の告白、礼拝、施し、断食、巡礼の5つです。緑はイスラム教を象徴する色でもあります。
赤は先祖たちの血と、国の団結を表すとされています。
植民地時代は、海で使えなかった
星が加えられた当時、モロッコはフランスとスペインの支配下にありました。この時代、星の入った赤い旗は陸の上では使えましたが、海で使うことは禁じられていました。
海でも掲げられるようになったのは、1956年に独立を果たしてからです。船を見分けるために星を足したのに、その船では使えなかったというのは、少し皮肉な話ですね。
世界一大きな旗の記録も
2010年には、広さ約6万平方メートル、重さ20トンという巨大なモロッコ国旗が作られ、「世界で最も大きな旗」としてギネス世界記録に認定されました。サッカー場8面分ほどの大きさです。
まとめ
モロッコの国旗は、王家の赤い旗に、見分けるための星を足して生まれました。
きっかけは実用的でも、そこに描かれた星には信仰の意味が込められています。赤地に緑の星、という配色ごと覚えてしまいましょう。
国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。