ヒマラヤの小国ブータンは、国の豊かさを「GDP」ではなく「国民総幸福量(GNH)」で測ることで知られています。
そんなブータンの国旗には、大きな龍が描かれています。
実はこの龍、最初は今と違う色だったことをご存知でしょうか。
今回はブータン国旗にまつわる意外な雑学を掘り下げていきます。
ブータン国旗の基本データ
| 正式名称 | ブータン王国 |
| 面積 | 約3.8万km²(九州よりやや大きい程度) |
| 人口 | 約78万人 |
| 首都 | ティンプー |
| 国旗の現行デザイン確定 | 1969年 |
| 縦横比 | 2:3 |
| 通称 | 「雷龍の国」 |
龍の色は、最初は「緑」だった
ブータン国旗の原型は、1947年にさかのぼります。
当時の国旗に描かれた龍は、実は緑色でした。
ブータンの伝統において、龍は「トルコ石色の龍」として語り継がれてきたためです。
その後1956年、龍の色は白へと変更されました。
白は、心と行いの「純粋さ」を象徴する色とされています。
この白い龍のデザインが、現在まで受け継がれています。
正方形に近い旗が横長になった、意外な理由
初期のブータン国旗は、正方形に近い形をしていました。
ところがこの形には、ある弱点がありました。
風になびいたときに、旗がうまく「はためかない」のです。
隣国インドの横長の国旗が、風に美しくなびく様子を見た国王は、この点を気に入りませんでした。
そこで国旗の比率は、インド国旗と同じ「2:3」の横長デザインに改められました。
見た目の意味だけでなく、実用面の理由でデザインが変わった珍しいケースだといえます。
龍が握りしめる、4つの宝石の意味
国旗の龍は、両方の前足で何かをしっかりと握っています。
これは「ノルブ」と呼ばれる4つの宝石です。
ノルブは、国の富と、国民の安全・繁栄を象徴しているとされています。
龍が牙をむき、口を大きく開けているのも重要なポイントです。
これは、ブータンを守護する力強さを表現していると考えられています。
対角線の黄色とオレンジ|「王」と「仏教」の並立
国旗は対角線で、黄色とオレンジの2色に分かれています。
上半分の黄色は、国王の世俗的な権威と指導力を表します。
下半分のオレンジは、チベット仏教(ドゥク派)の伝統を表します。
この2色が対角線で並び立つ構図は、ブータンという国が「王権」と「仏教」という2本の柱で成り立ってきたことを、そのまま図案化したものなのです。
まとめ
ブータンの国旗は、龍の色や旗の形が時代とともに少しずつ調整されてきました。
「見た目」と「実用性」の両方にこだわった結果が、今の姿だといえます。
国民の幸福度を大切にするこの国らしい、味わい深い国旗ではないでしょうか。
ほかの国の国旗についても、クイズ形式で楽しく学べるノーマルモードでぜひ試してみてください。