黒・黄・赤の縦三色で知られるベルギーの国旗。ところがベルギーの憲法を開いてみると、国の色は「赤・黄・黒」と、実際の国旗とは逆の順番で書かれています。
憲法と国旗が食い違ったまま、およそ200年。この不思議な状態は、国が生まれたときのあわただしさから始まっています。
ベルギーってどんな国?国旗の基本データ
| 正式名称 | ベルギー王国 |
| 人口 | 約1,180万人 |
| 首都 | ブリュッセル |
| 現行デザイン | 1831年 |
| 縦横比 | 13:15(一般には2:3も使用) |
| 配色 | 黒・黄・赤 |
黒・黄・赤は、ブラバント公国の紋章の色
3色のもとになったのは、かつてこの地にあったブラバント公国の紋章です。黒地に、赤い舌と爪を持つ黄色い獅子が描かれていました。
この3色は、ベルギー各地の紋章に描かれた獅子の色にも重なります。フランドルやナミュールの黒い獅子、ブラバントの黄色い獅子、エノーやリンブルフ、ルクセンブルクの赤い獅子です。
革命のさなかに、急いで作られた旗
1830年8月、当時オランダの一部だったブリュッセルで、独立を求める暴動が起こります。きっかけは、歌劇場での公演に興奮した観客が街へあふれ出したことでした。
このとき市庁舎には、いったんフランスの国旗が掲げられました。しかし独立を目指す人々は、すぐにそれを赤・黄・黒の横縞の旗に取り替えます。フランスの一部になるのではなく、自分たちの国をつくるという意思を示すためでした。
横縞から縦縞へ、そして黒が旗竿側に
最初の旗は横縞でしたが、1831年1月23日、縞は縦向きに改められました。さらに同じ年の10月12日、黒を旗竿側に置く現在の形になっています。
憲法の「赤・黄・黒」は、今もそのまま
ところが、憲法の条文のほうは書き換えられないままでした。ベルギー憲法の第193条には、今も国の色が「赤・黄・黒」の順で書かれています。
実際の国旗は、旗竿側から黒・黄・赤。憲法とは逆の順番のまま、今日まで使われ続けているのです。
ほとんど正方形の「13:15」という珍しい比率
ベルギーの国旗には、もうひとつ珍しい点があります。正式な縦横比が13:15と、ほとんど正方形に近い形をしていることです。スイスやバチカンの国旗のような完全な正方形ではありませんが、世界の国旗の中でもかなり独特な比率です。
もっとも、船に掲げる旗は2:3と定められており、街で見かける旗もこの横長のものが多くなっています。
ドイツの国旗とは、向きも色も違う
「あれ、ドイツの国旗と似てない?」と感じた人もいるかもしれません。違いははっきりしています。ドイツは横縞で、上から黒・赤・金。ベルギーは縦縞で、左から黒・黄・赤です。
色合いも異なります。ドイツの旗がやや濃い金色を使うのに対し、ベルギーの旗は明るい黄色です。
まとめ
ベルギーの国旗は、革命のさなかに急いで作られ、その後わずかな期間で横縞から縦縞へ、そして現在の色の順番へと整えられました。
憲法の条文だけが最初の順番のまま残っているのは、その慌ただしい誕生の名残といえるでしょう。
国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。