青地に黄色い円がひとつ。パラオの国旗は日本の日の丸とよく似ており、「日本への敬意を込めて日の丸をモデルにした」という話、どこかで聞いたことがありませんか?
しかし、この旗をデザインした本人は、その説をはっきり否定しています。そもそも描かれているのは太陽ではなく、月です。パラオの人々にとって月がどんな意味を持つのかを知ると、この旗の見え方が変わってきます。
パラオってどんな国?国旗の基本データ
| 正式名称 | パラオ共和国 |
| 人口 | 約1万8,000人 |
| 首都 | マルキョク |
| 制定日 | 1981年1月1日 |
| 縦横比 | 5:8 |
| デザイン | ジョン・ブラウ・スケボン |
描かれているのは太陽ではなく「満月」
パラオの国旗は1981年1月1日、パラオが国連の太平洋諸島信託統治領から分かれて自治政府を発足させたときに制定されました。黄色い円は満月を、青い地は太平洋を表しています。青には「他国による支配から自治への移行」という意味も込められているといいます。
なぜ月なのか — 満月は「いちばん良い時」
パラオでは、満月の時期が人間の活動に最もふさわしい時だと考えられてきました。祝いごと、漁、種まき、収穫、木の伐採、そして伝統的なカヌーづくりまで、大切な仕事は満月に合わせて行われてきたといいます。
満月は平和や愛、静けさの象徴でもあります。国旗に月を選んだのは、暮らしのリズムそのものを旗にしたといってもいいでしょう。
「日の丸がモデル」説と、デザイナー本人の答え
日の丸との関係については、見方が分かれています。日本の研究者・名越二荒之助は、パラオの月は日本の日の丸に敬意を表したものだと紹介しました。これについて日系のクニオ・ナカムラ元大統領は「そういう言い方もできる」と、肯定とも否定ともつかない答えを残しています。
一方、デザインを手がけたジョン・ブラウ・スケボン本人は「2つの旗の間に特別な関係はない」と明言しています。少なくとも作者の意図としては、日の丸をもとにした旗ではないということになります。
円は、中央から少しずれている
じっくり見てみると、黄色い円は旗の中央ではなく、やや旗竿側に寄せて描かれています。日の丸の円が中央にあるのとは異なり、この点ではバングラデシュの国旗と同じつくりです。円の直径は、旗の縦の長さの5分の3と決められています。
まとめ
パラオの国旗は日の丸によく似ているが、描かれているのは満月であり、デザイナー自身は日の丸との関係を否定しています。漁も収穫も祝いごとも満月に合わせてきた、パラオの暮らしから生まれた旗です。
日の丸と見比べるときは、色だけでなく、円が少し旗竿側に寄っていることにも注目してみてください。
国旗の形や色をどれだけ覚えられたか、ぜひノーマルモードのクイズで力試ししてみてください。